誘拐事件に関する注意喚起




1.これまで各国・地域の誘拐事件・誘拐脅威情報については,「スポット情報」,「危険情報」等において個別に注意を促してきていますが,近年,テロ組織,一般犯罪組織によるものを問わず,外国人を標的とした誘拐事件が数多く発生しています。特に2009年夏から現在まで,海外において日本人が被害者となった主な誘拐事件としては,次のようなものがあります。



(1)2009年9月下旬,多くの観光客が訪れるバリ島のホテルから日本人観光客が,警察官を偽装した者によって強盗,暴行目的で連れ出され,殺害されるという事件が発生しました。
(2)2009年11月15日,イエメン西部に位置するサヌア州の北部アルハーブ地区において,イエメン政府に拘留されている仲間の解放を目的とする地元部族民によって,我が国の経済協力に関係する邦人男性1名が誘拐される事件が発生(11月23日解放)しました。
(3)2010年3月31日,フィリピンのミンダナオ地域ダバオ市で,母親がフィリピン国籍を持つ日本国籍の幼女1名が,近所に住む犯人により連れ去られ,4月2日警察によって救出される事件が発生しました。



2.誘拐事件には,被害者を短時間拘束して所持金や貴重品を奪い,或いは,被害者のキャッシュカード等を用いてATM(現金自動預払機)から現金を引き出すことを目的とした「短時間誘拐」,資産家や企業家等をねらった「身代金目的誘拐」,さらには,外国人等を誘拐してその国の政府等に対して政治的要求を行う「政治目的誘拐」等があります。一口に誘拐といってもその形態は幅広く,また,その犯行主体も個人や犯罪組織からテロ組織まで多岐にわたっているため,各国ごとに注意すべき誘拐事件の種類と傾向は異なります。

3.近年,外国人に対する誘拐で特に注意を要する地域として,アフリカ,中南米,アジア,中東地域等の国々が挙げられます。


(1)アフリカ地域では,ナイジェリア,スーダン,チャド,モーリタニア,マリ,ニジェール,エチオピア,ケニア,ソマリア等で誘拐事件が発生しています。ナイジェリアでは身代金目的の誘拐が多いとされますが,モーリタニア,ニジェール,マリ等では政治目的を伴う誘拐も発生している模様です。また,ナイジェリアや南アフリカ等においては,「419事件」と通称される詐欺事件の一種として,架空の商談等を口実に被害者を現地におびき寄せて誘拐・監禁し,身代金を要求するといった事件も発生しています(「419事件」の詳細については,2008年11月6日付け広域情報「国際的詐欺事件(通称419事件)に対する注意喚起」を参照願います。)。
(2)中南米地域については,短時間誘拐や身代金目的の誘拐事件が数多く発生しています。
(3)中東地域では,イラク,アフガニスタン,イエメンにおいて外国人の誘拐等が発生しており,このうち,テロ組織又は地元の武装集団等による政治目的誘拐については,解決まで時間を要することがあります。(例:2009年12月末アフガニスタンで発生したフランスのテレビ局ジャーナリスト誘拐事件は,5月中旬現在依然拘束が継続している模様です。)
(4)アジア地域では,フィリピンのミンダナオ地域で身代金目的の誘拐事件が頻発しているほか,パキスタンの各地においても誘拐事件が発生しています。大洋州地域では,パプアニューギニアで営利目的の誘拐事件が増加しています。



4.海外に渡航・滞在される日本人が,誘拐の被害に遭わないようにするためには,各国において過去に発生した誘拐事件の特徴等を踏まえた安全対策を講じ,最新の政治・社会情勢等に応じて行動する必要があります。また,誘拐事件は,旅行者等を含め誰もが被害に遭う可能性があり,犯行手口も,事前に周到な準備を行って実行されるもののほか,偽の警察官等による偽装検問や,タクシーなどを装って犯行に及ぶもの等,様々な形態があることに留意する必要があります。



5.つきましては,これまで誘拐事件・誘拐脅威情報に関して各国に発出されている「危険情報」,「スポット情報」等の内容にも留意し,不測の事態に巻き込まれることのないよう,外務省や現地の在外公館より最新の治安関連情報の入手に努めるとともに,「目立たない」,「行動を予知されない」,「用心を怠らない」の誘拐対策の三原則を心掛け,日頃から安全確保に十分注意してください。また,万一に備え,渡航前には,家族や友人,職場の同僚等に日程や渡航先での連絡先を伝えておいてください。海外での滞在中には,日本の御家族等との間でこまめに連絡を取ることが大切です。



6.なお,誘拐対策の詳細については,外務省海外安全ホームページにおいて,パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」,「海外における誘拐対策Q&A」を掲載しておりますので,併せて御参照ください(http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.html)。

(問い合わせ先)

○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3678
○外務省領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902又は2903
○外務省 海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
http://www.anzen.mofa.go.jp/i/(携帯版)



 

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