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交通事故や防犯対策等に関するデンバー市警関係者のアドバイス (2005年5月現在)

1 交通事故に遭遇したら

(1) 州法では警察に通報することは義務付けられていない。
但し,当事者は互いに情報(名前,連絡先など)を交換し合わなければならい。一方,人身事故であったり,物損額が1000ドルを超えたりする場合は,警察を呼ばなければならない。

(2) 警察に通報しなくてもいい場合でも警察を呼んだ方がよい。警察官は互いの情報が真正であることを確認し,Police Reportを作成する。(警察を呼ばないで情報を交換する場合,相手より虚偽の情報を受け取り,事故後相手に連絡を取ろうとしても取れなくなるおそれがある。)

(3) 警察はどちら側に過失があったかを判定するために現場に赴くのではない。上述(2)のとおり当事者の情報の裏打ちをするため,事故が暴力沙汰に発展するのを防ぐため,また事故に刑事上の責任(酒酔い運転など)があるかを判別するために立ち会うのである。

(4) 警察は刑事上の問題(違法行為を犯した場合)を取り扱うのであって,民事上の紛争(誰に損害賠償責任があるかを決める場合)は保険会社などが取り扱う。州法では自動車保険に加入することが義務付けられている。
上述(2)のPolice Reportにおいてはどちら側に過失・責任があるかは言及されない。


2 運転中警察に呼び止められたら

(1) アジア人の中には警察官への敬意より車から出て近づいて行こうとする者がいるが,これは警察官にとって脅威として受け止められる。
呼び止められたら,両手は見えやすいところに据えたまま車の中で待つべきである。ダッシュボードに登録証を保管しておりそれを取り出す場合は,警察官にその旨を伝えてから手を伸ばした方がよい。ジャケットの内胸ポケットに免許証がある場合もしかりである。(警察官は,こういう場合拳銃が飛び出すこともある,と訓練されている。)また,ナイフなどがダッシュボードに入っている場合,不必要な警戒や誤解を招かないためにもその旨予め伝えるのがよい。

(2) もし警察官が傲慢・横暴な態度を示すようであったら,その場で口応えはせず,後日警察署の苦情処理係りに連絡するのがよい。その際,警察官の名前,ライセンス(バッジ)ナンバーが必要になる。

(3) 全米を通じてパトロールカーは赤色(及び他の色の組み合わせ)のフラッシュライトを使用する。走行中の車を止められるのは,この赤色だけである。赤色のないフラッシュライトには応じる必要はない。むしろ止まるべきではない。コロラド州では赤色と青色が点滅する。


3 警察官の制服について

(1) 警察官は制服を着て,胸にバッヂを付け,IDを携帯している。それ以外の格好の警察官には応じる必要がない。例えば,ドアの向こうで警察官を名乗りドアを開けるよう要求されても,制服でない者には戸を開けない。

(2) 警察官の制服は郡によって異なるが,皆ほぼ同じである。

デンバー市警の制服:上下紺色
ジェファーソン郡保安官の制服:上が深緑色,下がカーキ色


3 車の売買をする場合

(1) 個人より車を購入する場合,金を払い車のキーをもらうだけでは売買は終了していない。登録証(Title)の名義人を変更しておかなければならない。名義人変更をしないと,車は依然前の持ち主のもので,その人に車を乗りさらわれても,何もできない。

(2) 売却者が購入者からの入金を確認後に登録証を郵送すると言って売買が成立したふりをし,金を受取った後その車を持ち逃げするケースが発生している。


4 ドメスティック・バイオレンスについて

(1) アメリカにおいてDV(夫vs.妻,ボーイフレンドvs.ガールフレンド,ボーイフレンドvs.ボーイフレンド,ガールフレンドvs.ガールフレンド)防止法は大変厳しい。

(2) DVで通報を受けた場合,警察は加害者と思しき人物を逮捕しなければならない。加害者の暴力には,肉体的な力による暴力のみならず,被害者が精神的苦痛を受ける言葉の暴力も含まれる。
但し,加害者は逮捕されても保釈金を積めば釈放される。(殺人で逮捕される場合は判事が認めない限り釈放されない。)

(3) 盗難の場合被害者が訴えなければ警察は何もしないが,DVの場合には被害者が訴えなくても,警察は加害者を逮捕する。

(4) 第三者(例えば隣の人)からの通報でも警察は出動する。

(5) 躾として親が子供を平手打ちすることもDVとして受け止められる。

(6) 米国において移民者が被害者となる場合,警察に通報しても移民者としての滞在資格・状況は影響を受けない。例えば,不法入国している移民者が被害を受けても,その不法入国者は強制退去にはならない。また,米国人の配偶者として渡米しその滞在資格の手続き中にDV(米国人の配偶者が被害者)が発生しても,その配偶者は引き続き米国に滞在できる。
この法が成立する以前は,被害を受けても強制退去を恐れ,警察に通報しない移民者が多くいた。


5 薬物について

(1) デンバー市において少量のマリファナの所持・使用が先の一般投票で勝利しているが,コロラド州法においては依然違法であり,州法が市法に優先する。従って,デンバー市内であろうと,マリファナは違法である。

(2) 医療マリファナなど合法的なものは(連邦レベルでは依然違法であるが)個人使用のものであって,公共の場で使用したり,売却したりすると,刑務所に拘禁され得る。
また,一オンス以上のマリファナを所持していることも刑務所に拘禁される対象となる。(一オンスに未満の場合は最高100ドルの罰金が科せられる。)

(3) 昨年デンバー市内で発生した殺人事件58件のうち38件において薬物(特にその売買)が関与している。薬物は大変危険である。


6 テロリストについて

(1) 観光地でもない所のビルや何でもないところのガレージの写真を撮っている者を見かけたら,不審に思うべきである。また,例えば,ペプシセンター(デンバー最大の屋内競技施設)などは旅行者の写真撮影対象になるかもしれないが,必要以上に入口などを多数撮りまくっていたら,これも不審に思うべきである。不審者を見かけたら,迷わず911通報して欲しい。


7 女性が(もちろん男性も)注意すべき点

(1) 非常時に備え携帯電話は常に携行するのがよい。911通報する場合,従来の(家庭につながっているような)電話回線では発信地が警察側にわかるようになっているが,携帯電話はそうではない。したがって,居場所(州,市,ストリート名など)を知らせる必要がある。

(2) 夜中に,また日中でも人気のない所を一人で歩く場合,周りに注意を払い十分警戒すべきである。
職場から帰るのが夜中になった場合,駐車場には一人で行かない方がよい。止むを得ず一人の場合は十分警戒してほしい。例えば,誰かが後ろを歩いていたら,その人が車に乗るのを見届けてから,自分の車に乗るようにした方がよい。

(3) 家に一人でいるときはドアーをロックしておくべきである。夏など窓を開けたいかもしれないが,その場合全開するのではなく少しだけ開け,その状態に窓をロックすべきである。
家に見知らぬ人が訪ねてきたら,ドアーは開けない。例えば,配管工が修理に来ても呼んだ覚えが無ければ絶対に開けない。ホテルに泊まっている場合もしかり。自分が呼んでない限り一切応じない。必要あらばホテルのロビーに通報する。


関連リンク: 安全の手引き